会社からの帰りの電車で目を閉じて座っておりました。久々の仕事は疲れるわい・・・うとうと。

すると網棚にかばんを乗せようとしたおっさんが、手を滑らせたのか私の上にカバンを落下させてきました。

ギャーーース!!!!

ほんとにこう叫びました。叫びもします。スーツケースのような硬くて重いカバンなのです。カバンというかもうウェポンです。痛い痛いうううううう。

おっさんが「ごめんなさい、大丈夫ですか?」と声をかけてきますが、ええ、大丈夫ですわよ!と答えるのも癪になるくらいまだ痛かったので

カナリ、キキマシタ・・・

と片言の日本語で答えてやりました。うう、思い出すだけで痛い。

その後、おっさんは斜め前あたりでつり革に掴まっていたのですが、こいつは絶対また何かやる!とにらんだ私は警戒を怠りませんでした。このおっさん、もう顔からしておっちょこちょいフェイスなのです。油断なりません。

するとおっさんの降りる駅になったのか、電車がまだ動いてる間に網棚の上から荷物を取ろうと行動しだしました。キタ!!!!

ごそごそゴソゴソ、ガタタ!!!

一人で激しくつんのめり、マトリックス状態でのけぞるおっさん!しかし腹筋がないのでそんなマトリックス状態に絶えられることもなく、後頭部を近くに並んでた女性に押し当てのけぞり状態を保持します。早く、早く腹筋で前に戻ってつり革に掴まるのよ!!じゃないと後ろの女性が何事が起こったのかとパニックに陥りそうです。

じたばたジタバタ!ジタバタじたばた!(おっさん奮闘中)

おっさんモタモタしすぎ・・・。私が服でも掴んでひっぱってあげようと思った時、電車が停車した衝撃でおっさんが戻ってまいりました。開放された女性はやっと後ろを振り返ることが出来、事態を飲み込んだようです。その瞳は怯えきっておりました。

その女性に一言もなく降りていくおっさん。

さあ、早く森にお帰り・・・もう人のいる所に出てきてはいけないよ!と私は虫笛をびゅんびゅんさせながらおっさんを見送りました。