グリ、どうしてお皿のお水を飲んでくれないの?水道から直接飲むのは止めてください!
べーろべーろごくごく(グリ容赦なし)
そんな感じでお風呂でべろべろ、台所でべろべろとグリが妖怪と化していたので、ホームセンターに行って水飲みアイテムを買ってきました。
犬用とかでよく売られている「ボトルドリンク」とか言う奴です。水道みたいに上からびちょびちょ垂れてくるので、きっとグリも気に入ってくれるでしょう。こいつはいいぞ、しかしグリが水飲み場って分かってくれるかなぁ。
こういうのって大体は先輩猫のやってる行動を見て、覚えていくんだよね。うちはお手本となる猫がいないから困ったなぁ。
よし!見てろグリ、とおもむろに私は屈み込んで「ごくごく、おいしいなぁ」とか水を飲むマネをします。グリは全然理解してくれないし、私の背後にそびえ立ってるロボさんは何も突っ込んでこないので恥ずかしくなって止めました。二人ともヒドイよ!!!

グリ、お水だよ、ぐいぐいとグリを押します。グリの後頭部水まみれ。そこじゃないよグリ。しかし今の一撃で水がどこからか垂れてきた!とちょっとづつ理解してきたグリです。

うろうろする奴を見守る私。グリはおっかなびっくりぺろぺろします(そこはサイドだよ〜!)。ぺろぺろ(もっと強く舐めるんだ〜!)

一向に水が飲めない様子に私がぶち切れて、グリ水はここ!!と口を半開きしてズビシと押し当てました。水がびしゃーーーー。

ぺろぺろ

グリが二本足で立ち上がり、「う、ウォーター!」と叫びました。グリ!そうよ、これが水、ウォーター。私はグリの口に水を当てながら、手話でも『水』と伝えます。グリは雷に打たれたかのような衝撃を受けます。グリが言葉と言う概念を悟った瞬間です。

私の瞳からは涙がとめどなく溢れていきます。「ぐ、ぐりーーー!」「にゃべちーーーにゃ」しっかりと抱き合う二人。

グリは後に『ヘレン・ケラー』と名乗り、世界へとこの物語は広まることとなったのです。